結露対策に換気は必須

「寒いのはイヤだから換気なんか絶対にしたくない」と言い切るお客さま・・・

以前、お客さまとのこんなやりとりがありました。

「自宅の結露がすごいので一度見て欲しい」とのご連絡。

実際に、当店のスタッフがご自宅に訪問させていただくと、すでにペアガラスが入っているご家庭でした。

結露が出るけど、換気はやってられないなぁ・・・
結露が出るけど、換気はやってられないなぁ・・・

「去年ガラス屋さんに頼んで、ペアガラスに交換してもらったのに、結露がまったく防げない・・・。

俺は寒いのも嫌だし、 換気は寒くなるのでやっていられない。

お宅のスペーシアなら、それでも大丈夫なのか?」

とおっしゃられます。
当店の見解として、

「残念ながら、それでは無理です。」

と、お伝えしてきました。

なぜ、そのように断定してしまうのかと言いますと、

結露対策を考えたときに、“換気”は絶対に必要なことだと強く念を押したいからです。

例えば、ダイエットをしたいのに、

「私は運動もしないし、好きなものも好きなだけ食べます。
だけど、このサプリメントだけ飲めば痩せられるんですよね?」

なんて言われたとすれば、

「それだと無理です。」

とはっきりお断りするのが専門家だと考えているからです。
あくまでもサプリメントは、ダイエットの補佐になるものですよね。

本当にダイエットをしたいのならば、
ご飯もきちんとバランスよく食べて、適度に運動もして、
その上、サプリメントも取り入れてみる。

そうやって初めて、よい結果に結びつくものです。

結露対策の場合もこれとまったく同じなのです。

両輪そろって初めて結果が出る
両輪そろって初めて結果が出る

先ほどのダイエットのケースに当てはめてみると、

『サプリメント』が『エコガラスに交換』に該当して、
『運動や食事などの生活習慣』が『換気』に当てはまります。

どっちの方が大切というものではなく、両輪そろって初めて、結露が防げるのです。

そして長い期間で見たときに、
“換気をすること”は建物そのものにも優しい習慣になります。

どれだけ性能の良いガラスでも必ず限界値がある

どれだけ性能の良いガラスに交換したとしても、必ず結露を防げるという限界値があります。

その限界値を超えれば超えた分だけ、結露となってガラスの表面に表れてきます。

エコガラスなどに替えると、今まであった窓ガラスよりも、結露を防げる限界値がずっと高くなります。

ただ、限界値が高くなるだけであって、
そのガラスの限界値に達してしまえば、当然結露は発生してしまいます。

その限界値を超えにくくするためにも、
“換気”は欠かせないものだとお伝えしています。

ガラス性能の限界値を超えにくくするために、
室内の「水分がたっぷり含まれている空気」を外に吐き出してあげます。

さらに、外の乾いた空気を入れてあげることにより、
室内の水分の量を元の少ない状態にリセットする必要があるのです。

例えば、コップに一定の速さで水を注ぎ続けるとします。

一定の速さで水を注ぐ
一定の速さで水を注ぐ

ある程度水が溜まってきた段階で、一旦コップの水をすべて捨てれば、コップの中身は空になりますよね。

水を捨てれば、コップは空になる
水を捨てれば、コップは空になる

そして再び、同じ速さで水が注がれたとしても、
コップから水が溢れるまでには、リセットされた分の時間がかかるようになります。

室内の湿った暖かい空気を外へ逃がすこと
室内の湿った暖かい空気を外へ逃がすこと

それと同じように、換気をすることで、室内の湿った暖かい空気を外にだしてあげて、

湿度の少ない状態に戻してあげれば、結露が発生するまでの時間が延びます。

元々、室内の空気の水分量が多い段階から、その室内で普段どおりの生活を始めると、すぐに室内の水分量が増えて、水が溢れてしまいます。

コップから水を溢れさせないためにも、
室内の、目には見えない水蒸気を日々抜くようにしてほしいのです。

お風呂場の窓ガラスの結露は防げない

極端な例になりますが、
お風呂場の窓ガラスをエコガラスに取り替えても、結露は出ます。

お風呂場の窓ガラスの結露は防げない・・・
お風呂場の窓ガラスの結露は防げない・・・

室内の水分量が多ければ、限界値はすぐに超えてしまうからです。

もしもご自宅の部屋の中がそのような状態だと
限界値が高く、性能のいいエコガラスでも、やはり耐えられないのです。

性能のいいエコガラスは、先ほどのコップに例えると、容量の大きなコップのようなものです。

ガラスごとに、耐えられる水分量が異なる
ガラスごとに、耐えられる水分量が異なる

いくら容量の大きなコップでも、同じ速度で室内の水分量が増え続ければ、
いつかはコップの中のお水も溢れ出します。

溢れたお水は、目に見える結露という形になって窓ガラスに発生します。

だからこそ、室内の水分量を減らしてあげて、
限界値に届きにくいところまで、一旦下げてリセットしてあげる。

換気には、このように大きな役割があります。

特に冬場の場合、外の空気は乾いています。

その乾いた空気を室内にいれるためにも、冬場の換気には大きな意味があるのです。

ここまでお話しさせていただいたことをまとめると、
結露を防ぐために必要な要素は2つです。

  • ガラスの表面を冷やさないようにすること
     ⇒エコガラスに交換
  • 室内の空気の水分を抜くこと
     ⇒換気


現実的には、空気中の水分を全部抜くことは、難しいことです。

それでも、換気をすることによって、水分をある程度抜くことはできます。

実際には、よっぽどのことがない限り、
いつも通りの換気をすれば、十分に空気の入れ替えができます。

なので、神経質になりすぎる必要はありませんが、
換気をすることにより、さらにガラスの結露を防ぎやすくなります。

ガラス交換と換気の両輪の大切さをお伝えするために、
あえて厳しめにガラス屋の本音を書かせていただきました。

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